経済状況が苦しくなると、毎月発生する車のローンが払えなくなることもありますよね。
このような場合、債務整理の「任意整理」を車のローンに適用することで、支払いを楽にすることができます。
しかし、車をローンで購入した場合には所有権が留保されている状態となるため、「支払いを楽にして車を乗り続ける」といった選択肢が、厳しくなる可能性が出てくるんですね。
このページでは、任意整理を車のローンに適用した場合、どのような手続きになるのかをご紹介しています。
また、車を維持した状態で債務整理できる方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
車のローンを任意整理の対象にした場合の流れ
借金を整理する任意整理の手続きでは、自分自身で債権者を選び、個別に手続きを行うことができます。
したがって、金融機関からお金を借りて返せなくなってしまったり、クレジットカードで買い物をして支払えなくなったりした場合と同様に、車のローンも任意整理の対象にすることが可能です。
ただし、車のローンを任意整理の対象にした場合は、交渉に応じてもらえる可能性は低いと考えておいてください。
なぜなら、車をローンで購入した場合は「所有権留保」になっているのが一般的だからです。
所有権留保とは、車の所有権が使用者の自分ではなく、ローンを組んだ信販会社に設定されていることを指します。
所有権が留保されている限り、車は自分の持ち物ではないため、ローンが返せなくなると車を回収されてしまう可能性が高いんですね。
これを考えると、任意整理の対象に車のローンを選択するのは、できる限り避けた方が良いでしょう。
車を維持した状態で債務整理を行う方法
車のローンを支払うのが難しくなるくらい、今現在の経済状況が悪化しているのなら、任意整理の対象を車のローン以外にするのも1つの方法です。
この方法であれば、車を維持した状態で経済状況を楽にすることができるんですね。
ただし、これはあくまで車のローン以外にも借金がある人の場合です。
車のローン以外に借り入れがなく、毎月の支払いが難しいと感じているのであれば、任意整理ではなく「個人再生」を検討した方が良いかもしれません。
個人再生とは?
個人再生は、自分自身で裁判所に申し立てを行い、再生計画を許可してもらう手続きです。
今現在発生している債務が、1/5まで減額されます。
残りは、一定の期間(3〜5年程度)に、分割でコツコツと返済する形です。
任意整理とは違い、裁判所の許可が必要になるます。
そのため、必ずしも認可されるわけではありませんが、この方法なら住宅や車を残した状態で、債務を楽にすることができます。
ただし、個人再生をすると信用情報機関に事故情報が登録されるだけでなく、官報に公告されます。
インターネット上でも自由に閲覧することができる官報に、名前や住所が掲載されてしまうので、任意整理と比較すると周囲の人にばれてしまう可能性は高まるでしょう。
このようなデメリットがあることをしっかりと把握し、正しい選択を行うことが大切です。
債務整理後にまたローンで車を購入することができるのか
債務整理を行った後は、しばらくのあいだ車をローンで購入することができません。
理由は、信用情報機関に事故情報がしっかりと登録されてしまっているからです。
この情報が抹消されるまでには、少なくても5年がかかります。
個人再生を選択した場合には、10年程度は金融事故の情報が登録されてしまう可能性があると、覚えておいてください。
一定の期間が経過した後は、信用情報の開示を求め、自分の情報が抹消されているかを確認します。
これにより、事故情報が消えていたら新たにローンを組んで車を購入することも可能です。
まとめ
任意整理の手続きでは、対象を選んで整理することができます。
毎月の車のローンが払えなくなってしまった人は、まず他に借り入れがないかを確認しましょう。
借金が他にも存在しているのなら、そちらを優先的に整理することで、車のローンを完済できる可能性が出てくるはずです。
なお、任意整理や個人再生についてさらに詳しい知識やアドバイスをお求めの方は、専門家である弁護士へご相談ください。